Prima Stella

こころが動いたことばを集めたり 大好きな本や音楽、香りについて 気ままに記事を書きます。

おすすめ紹介② 宝石商のヒストリティカ

ことはです

 

コロナが落ち着き街が活気を取り戻し始めたGW、いかが過ごされましたでしょうか

先週後半は天候が大きく崩れ大雨となった地域や地震による大きな被害が生じた地域もありましたが、どうか今後被害が増えませんよう、心からお祈りいたします

 

さて、そんなGW明けの第6回目は、最近続きが気になって仕方ない作品のお話です

 

今回ご紹介するおすすめ作品

『宝石商のヒストリティカ』1~2巻(未完) 佐々木 つかさ KADOKAWA

宝石商のヒストリティカ 第1巻 (青騎士コミックス)

宝石商のヒストリティカ 第2巻 (青騎士コミックス)

 

 

出会い

こちらの作品との出会いは掲載誌を存じていたわけでもなく、作家様を事前に知っていたわけでもなく、本当に偶然の出来事でした

 

その書店では新刊の入り方が幅広く、行きつけの書店にはあまり並ばないものも数点紛れるように置いてあって重宝していました

その日もいつもレッスン前の時間調整に立ち寄る書店にはほんの数分をやり過ごすために訪れました

その作品は1冊しか残っていないのに面置きされていて、それは表紙をお客に見せたいという担当書店員さんの意思だったのかもしれません

私はその表紙がいたく気になってしまい、その場で買ってしまいたかったのですが、時間も気がかりでひとまずタイトルと出版社をメモに取りレッスンへと向かいました

しかし、レッスンの後もう一度書店に引き戻った時には、誰かに買われて行ってしまった後で、その夜は次に出会った時に必ず買おう!と心に決めてトボトボと帰路につきました

悔しい思いをした反動で、別の書店で再び出会った時は他に買う予定だった本のことも忘れ、すぐに手に取りレジへと並んでしまいましたが笑

帰宅後、早速お気に入りの紅茶を淹れて読み始めたのですが

もう涙が止まらなくて、何度も何度も読み直してしまい

気がついたら淹れたばかりだったはずの紅茶がすっかり冷めてしまっていました

 

作品について

こちらの作品では同一のキーマン・宝石商が登場します

宝石商はとても不思議な人物で名前を明かされることなく、また何百年何千年と同じ容姿のまま旅をしているように見受けられます

これが作品の根幹にかかわる部分なのかどうかは今のところまだわかりませんが、彼が旅をする目的は物語が進むとわかるのではないかと信じています

 

第1巻

1巻目では、短編連作の形式が取られており、シンデレラ、楊貴妃、シェヘラザードなど昔話や物語としても有名で馴染みのある女性たちも登場します

どの作品もとても心を揺さぶられ胸が苦しくなりましたが、中でも『シェヘラザード』の銀の話はハンカチはびしょびしょ、ティッシュが手元になくて立って取りに行くのももどかしくて困ったほど

恋の話、として描かれているものの、私には異なる側面からの彼女への愛をどうしようもなく感じてしまいました

どの作品から読んでも違和感なく読めるため、その日の気分に合わせて読み始めることもできそうです

 

第2巻

2巻目では、新たにもう1人巻を通して登場する人物が現れます

帯にも紹介がされてある「ジャンヌ」という少女です

以降は恐らく宝石商とこの少女が歩む宝石を廻る冒険物語となるのかもしれません

こちらは1巻目とは少し趣きも変わります

1754年フランス・パリを舞台にジャンヌとの出会い彼女の旅立ちを描き、宝石商はジャンヌを最初こそ同行させるまいと拒みますが、少しずつ彼女を保護する立場から助言をするなど、ともに過ごすようになります

ページを進むごとに時が進み、ページを捲る度に二人の旅が進んでいくことが感じられる点も1巻目とは異なるところでしょう

 

所感と憶測

他にもいくつか宝石や鉱物を扱う小説や漫画を嗜みましたが、たとえ登場する宝石やその逸話などを知らなくとも、各話の下地となった物語や史実を少し知っていたらそれだけでも引き込まれるだろう作品だと感じています

(もちろん知っていることが多ければ多いほど、深く隠されている真意に気がつけるのかもしれませんし、もっと魅力を見つけられるのかもしれません)

 

1巻・2巻ともにあまり書店での遭遇率は高くなく、もしかすると出版冊数そのものが少ない可能性もあると考えています

そのため、あくまで憶測ですが、第1巻が短編連作の形式を取っていたのは”様子見”のためであり、作家様としては第2巻以降の内容が本来書きたかった物語なのかもしれません

どちらの方が好きか、というのは個人によって分かれるところかもしれませんが、私はこの作品の行方が今とても気になっています

 

ここでの感想はあくまで私の憶測や気持ちばかりが先行している内容となるため、作家様の意思に反することもあるかもしれません

なので、この記事で少しでも気になってくださった方はぜひ一読いただき、あなただけの感想を見つけていただけたらと思います

 

今夜はこのくらいで

では、また来週火曜日にお会いしましょう